千葉・地図ラーの会で養老川を遡行するフィールドワークを決行したのが7月。川の水の冷たさも心地よい季節だったけど、いまは晩秋の11月。養老渓谷は赤や黄色でお化粧するベストシーズンを迎えている。関東でいちばん遅くまで紅葉が楽しめる養老渓谷は、ピンポイント・ジャストシーズンで訪れたいスポットなのだ。

ところでつい2週間前のこと、この地域に世界が注目する大ニュースがもたらされた。それは「チバニアン」。地磁気が逆転した77万年前の時代の地層が観察できる好適地として認定された場所は、この養老川の流域にある。

そのため、ただでさえ紅葉目当ての観光客で混雑が予想される日曜日に、チバニアン見物の人まで加わることに・・・。

たしかいつも2両編成だったローカル線の雄・小湊鉄道も3両に増結され、それでも満席になった状態で僕たちは養老渓谷を目指した。

シャトルバスまで用意されている、チバニアンの下車駅である月崎で地層見物の人々を下ろしたあと、僕たちはほどなく養老渓谷駅に降り立った。

養老渓谷のメインはこの駅から養老川の上流にかけて広がる養老渓谷温泉郷や粟又の滝で、このルートは路線バスも走っている。でも僕たちが行くのは大福山からもみじ谷へと進む9.6キロのハイキングコースだ。紅葉の名所であると同時に、深く切り立った崖に展開される地層を目の前で感じることができる、心が躍るルートとなっている。


スタートは12:30くらい。五井駅で購入したお弁当を開くのは大福山の展望台なので、約5キロを1時間半くらいという思惑で臨んだ。

しかし、紅葉に染まる山道は歩く速度を鈍らせる。ついつい指がシャッターを探し、足が止まってしまう。

大福山までの道のりは舗装路が多い。ところどころで黄色く赤く色づく木々があって、やっぱり山の暖色系の癒しパワーは大したものだと感心する。

大福山の展望台はメイン道路から脇に入ったところにあり、それほど広くはないものの展望台の頂上からは遥か彼方の山々まで臨める。

お弁当を食べて後半は、いよいよ紅葉谷を通って梅ヶ瀬渓谷へのルートを進む。ここはこれまでとは打って変わって険しい山道になる。

下って下ってようやく川までたどりついたら、今度は川沿いを延々と歩くルートになる。一応ハイキングコースではあるが、全てが道と呼べるようなものではない。ときに川を渡り、水の中を歩き、手をつかないと進めない悪路もある。

紅葉は結局、いちばん最後の方の駐車場がいちばん綺麗だったかも(笑)。

しかし、普段の街歩きだと10キロはそれほどでもないけど、この山道の10キロはかなりきつかった。足元が安定しない悪路もあり、思ったよりきついアップダウンもあり、しかも同じ景色が続くのもけっこうダメージを感じるものだ。

でも、それも養老渓谷の持つ魅力なんだろう。こういう思いができて、大きな達成感を得られるのも、整備された観光地ではけして味わうことはできないものだ。