今年2月の地図ナイト14で大感動したこともあって、今回も千葉・地図ラーの会は会長・副会長コンビで参戦してきた。場所は前回と同じ渋谷カルチャー・カルチャー。今回は札止めにはならなかった模様だけど、開場の17時には既にカウントしたくないくらいの大人数が入口に並び、開演の18時には大相撲的には満員御礼状態になった。世の中にはド変態がこんなにもたくさんいるのだ(しみじみ…)。

この会はトークセッションなのか?講演会なのか?それとも宴会か?

開会=乾杯(笑)

それは開会が乾杯で始まるということからお察しいただけるかと…(笑)。とにかくもう気楽すぎるほどのユルさで宴会(?)は始まった。

(1)日本地図センター 田代博氏

右から読んでも左から読んでも「たしろひろし」という小ネタと、富士山模様のネクタイ、ダイヤモンド富士の写真集からの入りだったが、とにもかくにも最初から記憶に残らないダジャレのオンパレード。

本題は、所属である日本地図センターの紹介、地形図の売上変遷、地図に関するグループ、カシミール3D、地図クラブ、地図組織の話などなどなど、もう地図に対する愛情乱射と、かなりハイレベルなダジャレであっという間の持ち時間満了となった。

最後には「山と地図」CD-ROMもいただき、いま我が家の家宝となっている。閲覧環境が心配とのことだったけど、Windows10で問題なく見ることができた。ありがとうございました。

(2)地理の会会長 作田龍昭氏

作田氏の発表は、地理の会の活動内容。1996年に地理好き3人でスタートしてから21年、巡検(フィールドワーク)、講演会、交流会など年間5~6回ペースでイベントをおこない、現在メンバーは60名とのこと。

やっぱり、これだけの長期間にわたって組織を維持することは、並大抵の努力では済まなかったことだろう。メンバーの絆、地理への深い愛情、そして運営力と企画力、この三拍子が揃っていて、かつそれが継続していないとできないことだろう。

最後に、作田氏から、地図のグループへの提案をいただいた。単に街を歩いて楽しむだけではなくアーカイブとして残すこと、白紙の状態でコースを決めずに歩いてからその経験をシェアする街歩きという2つ。これはまさにそのとおりだと思った。

街歩きは記録に残さないといけない。1日楽しく歩いても、記憶に残るのはそれほど多くない。でも写真を撮っておくと後で振り返ることができるし、それを文章化しておけばいつでも引き出すことができるようになる。いま僕たちが目を見開いて感動している古地図などは、まさに記録があったからこそ。地図に関わる1人として実行していこう。

白紙の街歩きは、千葉・地図ラーの会でぜひ取り入れてみようと思う。千葉市は東京ほどの情報がない街だからこそ、実際に歩いてそれぞれの人の感性で見て語る街が面白い。地元にいるとアタリマエのことが、実は凄く価値があるというような話も最近よく聞く。これはきっとエキサイティングな企画になるだろう。

(3)境界協会主宰 小林政能氏

いわずと知れた地図ナイトの主催者であり今日も司会進行の小林氏。黄色いビブスとボーダーのTシャツを見るとホッとするのは僕だけではないだろう。

まずは境界の魅力の話から、境界協会の活動実績と、小林政能氏のテレビ出演自慢(笑)。

それからは各地のおもしろ境界を矢継ぎ早に見せていただいた。もう、こんなことに真剣になってどうする?的な境界話。でも自分もその世界にグイグイ引っ張られている、痛いような痒いような、ワクワクするような心配なような、ホント境界ネタはいつも僕をこういう妙な気分にさせてくれる。

(4)原点スペシャルガイド 大滝修氏

国土地理院で、日本の緯度・経度・標高を管理する大滝氏の話は、地図のベースとなる原点・基準点のこと。

僕たちが大好きな地図も、基準点がないと測量できないし正確にならない。普段は見過ごしているこの原点は、全国に配置されている三角点。そして、明治25年に決められた日本経緯度原点から、三角測量によって全国の位置が正確に決められていった。

次に正確な高さを求めるために、霊岸島に日本水準原点が定められ(現在は油壷)、そこから標高が決められていった。

はじめのいっぽ、先人たちの偉業によって僕たちは地図を楽しむことができるし、GPSなどの恩恵を受けることができているわけだ。何も意識せずに使っている地図、PCやスマホの画面を見れば一瞬のうちに表示される地図も、全ての原点はここにあるということだ。感動!

(5)地図エッセイスト 今尾【地図神】恵介氏

トリは「地図神」こと今尾恵介氏。地図好きなら誰でも知っている神様は、いったいいつから地図に取りつかれたのか?その伝説を聴かせていただいた。

中学1年で出会った地形図から、坂道を一気に駆け上がるように(駆け下りるように?笑)地図の世界にはまり込んでいく(黒)歴史は、感動せずにはいられない。中学生のときに地図帳に図郭線を書き入れたり、高校生で欧州の中央分水界を書き込んだり、ここからは筆舌に尽くしがたいマニアック路線を突き進むことになる。さすが神、やっぱり常人とはレヴェルが違うのだ。

今回もたくさんの変人さんとご一緒することができた。でも現代は変人とか異端児は最上級の褒め言葉だ。だから僕たちも堂々と地図ラーを宣言して活動することができる。ホントいい時代になったもんだ。